幼稚園1日目。
朝、不安そうにバスに乗って、幼稚園へと旅立っていった・・・。
帰ってきてから聞いてみた。
「幼稚園、楽しかった?」
「うん」
「あー、よかったあ(ホッ)」
「でも、明日は行かないよ」
「え?」
2日目
朝、幼稚園に行きたくないと、泣き出した。
友達が誰もいない、自分と遊んでくれる人がいないと言っている。
かわいそう。
だが、これも試練、ガンバレ。
まだ泣いていたが、そのまま迎えに来た幼稚園バスに乗せる。
夕方、帰ってきて、
「明日は行かないよ」
「・・・」
3日目
朝、やっぱり行きたくないと。
幼稚園バスが来るからと、外にも出ない。
「バスは来ないから、お庭のお花を見よう」
「うん、でも幼稚園は行かないヨ」
「・・・お花きれいだね」
「そろそろバスが来るから、おうちにもどろ」
「・・・あ、なめくじおるヨ、見てごらん」
「あー、ほんとだ」
幼稚園児相手に牛歩戦術。
やがてバスが来た。
泣いて逃げるちっちゃ。
捕まえてバスに乗せる。
かわいそうだが仕方がない。
夜、お友達と歌や踊りができるように、今年卒園したばかりの姉に、園の歌と踊りを教えさせる。
歌も踊りも覚えた。うまい。
こんなにうまいのだから、慣れたらきっと、人気者になれるはず。
4日目
朝、用心して外にも出ないちっちゃ。
「幼稚園、いかんー!」
寒いからと服だけ着替えさせて、バスの音がしたらそのまま抱きかかえてバスへ。
大泣きの、ちっちゃ。
親としても涙が出る。
昼間、妻が園に様子を見に行った。
ちっちゃは教室で、椅子に座らず、先生のそばを離れず、先生に怒られていた。
ひどい。
彼女の席の周りには、女の子のお友達が配置されていない事も判明。
夜、寝る前、
「あした、バス、来ない?」
「バス・・・来るよ・・・」
シクシク、泣き出した。
(こんなとき、正直に言わないほうがいいのだろうか?)
親、どうすればよいかわからず、途方にくれる。
5日目
朝、前日と同じく泣き喚くちっちゃをバスに乗せる。
いつもと違ったのは、バスに乗っていたお迎えの先生が、前のゆみちゃの担任。
ちっちゃもそれに気づく。
抱っこしてバスに乗せてもらい、「ちいちゃんも頑張ってるんだね!」と声をかけてもらった。
そのまま、椅子にも座らず、抱っこされたまま、バス発進。
夕方、バスに乗って帰って来たちっちゃ。
「・・・どうだった? 幼稚園楽しかった?」
「うん」
「明日、幼稚園、どうする?」
「明日は、行く」
「えー!!」
どうやら、一緒に遊ぶところまでは行かないが、心配してくれるお友達ができたらしく、ひとりぼっちになることはなかったよう。
やさしいお友達、クラスにいたのだ。
それに、先生達も心配りをしてくれたのかも。
ともかく、親として、ほっとした。
久々に、「明日という日は明るい日」。