「あー、もういやだー」
「あー、Aさんみたいに、できませんて、言いたい」
職場のおとなりの同僚が、うめいている。
かわいそうだが、私は手伝ってやれない・・・。
私自身、結構ヘビーな仕事を抱えてるんだ・・・。
それに、その仕事、専門過ぎて俺にはムリ・・・。
ひっそりと彼に念を送る。
社長。
うちの社長、誰がやっても、どう見ても、大変難しい、リスクの高い、しかし安値のお仕事を、ハイハイと引き受けてくる。
そして、誰彼へと仕事を割り振る。
その人ができるかできないかにかかわらず。
どんなに困る事になっても、例えに客先に迷惑がかかりそうになっても、社長はヘルプしない。
そう、今回ババを引いたのは、うめいている彼だったのだ。
ところでAさん(女性)とは、社長にもきっぱりと発言する人だ。
「できません!」、きっぱり、ばっさり。
「この仕事ができるかできないか、するかしないか、なんでいつもそこから話しないんですか!」
対・社長(のみ)にキビシイ人で知られている。
私はその一点については、限りなく尊敬している人物だ。
(注:他の人にはやさしい)
さて、それを聞いていた別の同僚、
「Aさんは社長にも「できません!」、て言えるからすごい。」
「しかしほら、あのBさんは・・・この間、社長に言い付かった仕事を、その場で「やりません!」、と返してたよ」
「企画書を目の前でごみ箱に捨ててたよ」
あー、確かに。
Bさんのほうが、うわてだ。
ちなみにBさんとは、普段は無口だが、いったん口を開くと、歯に衣着せぬ発言をする、弊社の古参社員だ。
なにをかんがえているのかわからない・・・。
そばでやり取りを聞いていた新入社員、おや、顔が青ざめていないかい?
ホントわが社、人種のるつぼだ。
旧ユーゴスラビアか。
いつか戦争が起きなきゃよいが。